こんばんは、山村です。
中2生の今回のテスト範囲に『用言』が入っている学校が多いようです。
「用言って苦手!」「意味がわからない!」という生徒はけっこういます。
品詞は大きく分けて10個あります。用言とはそのうち動詞・形容詞・形容動詞の3つをまとめたものです。
動詞は終止形にしたときに、音の最後がuになるもの。書くkaku 食べるtaberu 歩くaruku
形容詞は終止形にしたときに、音の最後がiになるもの。楽しいtanoshii おいしいoishii かわいいkawaii
形容動詞は終止形にしたときに、音の最後がdaになるもの。穏やかだodayakada 静かだshizukada さわやかだsawayakada
ただ、いつもこの形で出てくるわけではありません。
例えば「書く」は 1書こ・う/書か・ない 2書き・ます 3書く 4書く・とき 5書け・ば 6書け
「楽しい」は 1楽しかろ・う 2楽しか・った 3楽しい 4楽しい・とき 5楽しけれ・ば
「穏やかだ」は 1穏やかだろ・う 2穏やかだっ・た 3穏やかだ 4穏やかな・とき 5穏やかなら・ば
と形を変化させることができます。このように形を変えられる(活用する)ものを用言といいます。
じゃあ変化しないものとは何か。 連体詞「あの」は形を変えられません。あの本が、あら本→あり本 などになったら文がおかしくなります。
副詞「ゆっくり」もゆっくり→ゆっくら→ゆっくるになったら変ですね。かわいいとは思いますが。
変化しても意味が通じるもの、それが用言です(助動詞は今回考えないということで)。
また、活用形は未然・連用・終止・連体・仮定・命令の6種類があります。
わかりやすいものは仮定形と命令形です。仮定形は「もし~すれば」の仮の話をしている形をしています。
命令形は形容詞・形容動詞にはない動詞だけの形です。「~しろ!」というびっくりマークをつけるとしっくりくる形。
もう1つわかりやすいのが終止形。そこで文が終了している形です。「~。」の形になるものです。後に続く言葉がないので「文が終わってここで止めるよ」という形です。
わかりにくいのが連用形と連体形です。名前が似ています。でも意外とこわくありません。まずは連体形。
これは「体言に連なる」という字になっていますから、体言が下にくっついているものをみつければ大丈夫です。
体言はわかりやすく言うと名詞=主語になることができるものです。モノの名前ですね。
たとえば「書く理由」 理由は名詞なので名詞を説明しているこの場合の「書く」は連体形です。
でも、終止形と同じ形になっていることに気づくひとも多いはず。
動詞の終止形と連体形は同じ形がほとんどです。形容詞も同じく。
ただ、次に名詞がきているか、文が終わっているかの違いがあるだけです。
ちなみに形容動詞な「穏やかだ」+「ひと」→「穏やかなひと」と形が変わります。しかし、動詞・形容詞と同様に、名詞が後にきていることに違いはありません。
そして連用形。これは「~て」「た」「ます」とくっつく形です。
詳しく考えると連体形と同じように「用言に連なる」品詞です。
用言とは最初に説明したように動詞・形容詞・形容動詞の3つ。これにつながる形です。
たとえば「すばやい(形容詞)」と「走る(動詞=用言)」を合わせて「すばやく走る」になります。
走るという用言につながっているので「連用形」となるわけです。
ただ、最初にあるように「~て」「た」「ます」とくっつく場合がほとんどです。こちらを覚えてしまったほうがはやいかもしれません。
さあ、最後は未然形。「未だ起こっていないこと」を表していると考えると楽です。
「書こ・う」は書く気持ちはあるようですがまだ書いていないですし、「書か・ない」も「書く」がまだされていない。
「楽しかろ・う」はまだ今は楽しくないようですし、「穏やかだろ・う」もまだ穏やかではないようです。予想の言葉と考えてもよいでしょう。
「これからやるかもしれない」という雰囲気が伝わってくるのが未然形、と覚えてしまいましょう。
ということで用言とその活用形について今回は解説してみました。